外部フィルターについての誤解

ネットサーフィンしていましたら、中には密閉式の外部フィルターであれば、内部は酸欠に限りなく近づき、汚れが溜まれば溜まるほど硫化水素が多くなってしまうと言うものですが、果たして本当にそうなのでしょうか?外部フィルターをどの様に使ったのであろうか?
この場合の使い方についての詳細が言及されていなくて知る由もありませんが、ひとまとめにして否定的に言及されている為、実に良く分かりません。

外部フィルターの内部構造にもよりますが、ニッソーやエーハイム2213の様な一体型のコンテナの外部フィルターか?もしくはエーハイム2215以上の様なコンテナの無い外部フィルターの場合と、コトブキの外部フィルターやテトラのEXパワーフィルターの様なコンテナが分割型のような外部フィルターの場合とでは、その結果も違ってきます。
この点について触れられていませんので、いま一つ真相が良く分からず理解に苦しみます。

文章の短い記事を記載するのは良いことですが、逆に言えばそれだけ誤解される要素も増えます。
誤解されれば、それらの誤解・偏見を取り除くのは容易ではなく、その何倍ものの労力が要ります。
これは、メールにて質問されてくる時にその質問の内容から推察すると、読者には結構不利益を被ることもある様に感じます。
中には、要は使い方次第で変わるものですね?と気づいている賢明な読者も居られる様です。
本当に長年研究されたのであれば、もう少し誤解されない様な説明があっても良いと思いますが、・・・・・。

多くのアクアメーカーは、外部フィルター内に真ん中のところに粗いスポンジ製の粗目フィルターパッドのセットを推奨している所が多い様です。
これは、淡水では溶存酸素が多く、この方法ではあまり問題になりませんが、海水では溶存酸素の関係で問題になります。
上記説明にある通り、詰まって酸欠に陥る可能性が高くなるからです。


海水では、外部フィルター内に真ん中のところに粗目フィルターパッドのセットは必要なく、下から粗め、上へ行くほど細か目の設定が必要になります。
これは、当然ながらも海水の溶存酸素量に対する配慮なのです。
又、ウールの設定も重要になる。
ウールなどの物理濾過材は極力薄く、一番最上の所に設定します。
例えば、コンテナが3段あるとして、ウールなどの目の細かい濾過材は3段目の一番上に置きます。
ウールの置き所は大変重要で、一番下に置きますとウールが詰まりフィルター内が酸欠状態に陥り、濾過材同士の隙間にも酸欠状態になります。
酸欠状態の上に流量がある状態ですから、亜硝酸の発生で問題になり水槽内が白濁していきます。
同様に、ストレーナーにスポンジでカバーする方法は、スポンジの所で酸素を消費しますのでこの手の方法は原則としてお奨め出来ません。

更に、好気濾過と嫌気濾過とでは考え方も異なります。
砂とか石とかの濾過材は、時間の経過と共に段々と詰まってくるという特性があります。
これは、地球に重力・引力があるからです。
又、外部フィルターと言う構造は密閉式の為、溶存酸素量のある水草水槽にて使用し、流量が落ちている時が水槽の状態が良好な様に一部の酸欠(貧酸素状態)を狙い、自然と嫌気濾過を期待する面があります。

これを、海水で上部フィルターやオーバーフロー濾過の様に好気濾過として使用するならば、外部フィルターは向かないと言うのは一理あります。
外部フィルターの内部構造にもよりますが、ニッソーやエイーハイムの2213の様なコンテナ一体型の外部フィルターか?もしくはエーハイム2215以上の様なコンテナの無い外部フィルターの場合は、好気フィルターとして使用するならば、時間の経過と共に流量が減り嫌気濾過になる可能性があり、好気濾過としての機能が劣化する事になります。
これを逆手に取って、その欠点を利点として利用する方法がオルタナティブシステムのテクニックの一つなのです。

テトラのEXパワーフィルターとか、コンテナが分割型のような外部フィルターであれば、流量が減ること無く嫌気濾過になり難いであろう。
(濾過材に一部嫌気的箇所があると思いますが、・・・・・。)
私の所でも、テトラのEXパワーフィルターを1年以上使用してみましたが、上記外部フィルターと同じ内部の設定をしても、一向に流量が減る気配がありませんでした。
これは、分割されたコンテナ同士の隙間からのリーク(漏れ)によるものです。

この様に、外部フィルターの構造如何によっては、結果がまるでぜんぜん変わってきます。
ですから、嫌気濾過では徐々に嫌気濾過にしていく方法と、いきなり嫌気濾過にしていく方法があるのです。
それによって、対応もまるで変わって来ます。

又、好気濾過にしても、いつまでも好気濾過に維持していく方法と、後に嫌気濾過を期待する方法もあります。
当然ながらも、両者に対する設定も変わって来ます。
いつまでも好気濾過に維持していく方法としては、出来るだけ岩に近い濾過材、つまり珊瑚石で言えば、LL大の珊瑚石とか?リング状の濾過材とか?ドライボールの様なものとか?とにかく通水性のある濾過材の選定が大事になります。
嫌気濾過を期待するには、通水性に優れた不定形の連続多孔質の構造を持ったバイオスートンやエーハイサブストラットのような多孔質の濾過材などは、嫌気濾過重視型の濾過材ですので貧酸素域を再現、還元濾過的箇所を活性する事が出来るのです。
その効果を高めるのが、濾過材の一番上にセットするウールの役割です。
当方の珊瑚水槽は、外部フィルター4台でも毎日えさをあげても硝酸塩はゼロに近いのです。

これらに対する詳しい説明もなく、上記記事の様な簡素な説明だけでは大変誤解を生む恐れがあり、とても残念です。
              


              外部フィルターに使用するウールについて

濾過槽に使用するウールですが、どちらかと言うとゴミの漉し取りに疑問を持たれるのではないでしょうか。
実は、その通りなのです。
特に、海水ではなお更で、淡水の水草水槽の様な枯れた水草とかの様な大きなゴミがありません。
あっても、餌の食べ残し、魚の排泄物、生物の粘膜、ヘドロ位ではないでしょうか?
こう言ったものは、仮に捕まえても放って置くと溶けて無くなり黄色い液体になるのがオチです。

これは、物理濾過である白点虫除去フィルターからの排水を集めたもの
(注意; 現在は、ありません。)

白点虫除去フィルターに色々なゴミとして残っても、必ずゴミは溶けて左図の様な液体になります。
こう言ったものはスキマーか活性炭が必要になりますね。
ですから、溶かす前に沈殿させた方が賢明かも知れませんね。

上部濾過槽やオーバーフロー濾過槽などでは、ウールよりもキルトなどの不織タイプマットの方が性能が良かったりして、フェルトなどは白点虫を漉しとってしまいます。
ですが、毎日洗浄するか?もしくは、新品との交換も必要になったりして、ものぐさな私には性が合わない。

ゴミ取りには、なにも物理濾過だけではありません。
沈殿槽などのサンプやスキマーなども物理濾過の一種でしょう。
こう言ったものは、積極的に取り入れる方が良いでしょう。
そうすることで、濾過槽の物理濾過の負担も減らせるでしょう。

前回の外部フィルターに使用するウールについては極力薄く一番最上の所に設定、貧酸素域を再現・還元濾過的箇所の活性化の効果を高めるのがウールの役割と述べました。
もう少し突っ込んで説明しておきましょう。
物理濾過材を使用する目的について十分良く考えねばなりません。
ウールは目が粗いから駄目、キルトの様なものは目が細かいから良いとか?そう言う目先的な事で判断してはいけないと思います。
要は、使用する目的が大事なのです。

オーバーフローシステムの様な好気濾過槽に、好気濾過の負担を軽くする為に直接ゴミが入らず、ヘドロ等の沈殿を防ぐ意味で使用するならば、ウールよりもキルトやフェルトタイプの様な物理濾過材の方が良いと言う事になります。

逆にオルタナティブシステムの様な方法であれば、積極的にゴミを取り入れヘドロも沈殿させ、ゆっくりと時間の経過と共に流量を減らし、好気濾過から嫌気濾過へと移行させる目的であれば、嫌気濾過の餌としての炭素源が必要になりますからウールが良いと言うことになります。
「ゆっくりと時間の経過と共に流量を減らす」 =(イコール) 「積極的にゴミを取り入れヘドロも沈殿させる」とは、同じ意味になるからです。

キルトやフェルトタイプの目の細かいタイプは、数週間で目詰まりして流量が減り、炭素源としての有機物が多く集められません。
ですから、ある程度は目が細かいが、ある程度は目の粗いものと言う事になり、意外にこれが大事になります。
よって、それがウールになる訳です。

この様に、私の外部フィルターではローテーションの目的の為にウールを使用している訳です。
本当の意味でのゴミ取りは、スキマーやサンプにて代用させる方がよいかも知れませんね。
その方が優れているアイテムと考えています。



             EHEIM エーハイムフィルター 500 

遅まきながら、エーハイム500なるものが販売されている事が知らなかった。で、今頃になって本日に気がつきました。(o_ _)oバタッ
濾過容積は従来のクラシック2213と同じ3リットル。
50hzの2213の流量は440リットル/h、エーハイム500は1時間に500リットルの水が通水しパワーがありそうです。
http://www.eheim.jp/pdf/eheim500_guidance.pdf
エーハイム500が、エーハイムクラシック2213とは異なる点、
フィルター内のコンテナがなく、2215と同様の仕切り版になってシンプルな構造になっている事
本体の出水側の口が真上を向いているので、ホースが曲がらず水がスムーズに流れる構造に改善されている様です。

価格は、あるショップでは\5439 で販売されている様で安いし、お得感もあって私の海水水槽120+90センチでも濾過槽はこの500の4台セットでも十分です。
但し、粗目フィルターパッドは要らないし、ウールである細目フィルターパッドは分厚いのでこれの1/2か?1/3にすると良いと思います。

濾過材は、一番下から
1 バイオストーン、もしくはエーハイサブストラット
2 ニトロスティック
3 珊瑚石(小豆大のもの)
4 ウール

と言う順の設定にします。バイオストーンニトロスティックアクアガーデン製品です。




現在の私の水槽スペックは以下の通りです。2007年4月時点

上段水槽(好日性珊瑚) → 120×45×45 (アクリル)底砂 → 外国産ライブロックの瓦礫
下段水槽(陰日性珊瑚) → 90×45×45規格水槽(ガラス)底砂 → ホワイトサンド
サンプ            → コトブキ上部フィルターを改造
オーバーフロー用ポンプ →  ニッソープライムパワー20
水流(パワーヘッド)
上段水槽 → 5台(マキシジェット1200を1台、マキシジェット1000が2台、750を1台、500を1台)ナチュラルウェーブにてコントロール
           底面集塵フィルターエーハイム2228(物理濾過.)右側底面吹き上げ水流あり
                       ニッソープライムパワー30(物理濾過、途中にZC1000を通水)からの背面水流あり
          
           フィルターローテーション(テトラエックスパワー90を4台)バイオストーン、ニトロスティック、珊瑚石、ウール
              うち2台→好気フィルター → 水面上にて排水
              他、2台→嫌気フィルター → 園芸用排水コックで点滴

下段水槽→マキシジェット1200が2台  ナチュラルウェーブにてコントロール
        ニッソープライムパワー30からの水流がSCWD (スクイッド)によって左右交互(途中にZC1000を通水)

カルシウムリアクター → ニッソープライムパワー30に、約5キロkgのカルシウムメディア(珊瑚石、石灰石)を充填
                 又は、たまにカルクワッサー(水酸化カルシウム溶液)による添加
                 カルシウムリアクターによりKH7を維持し、その上で有機カルシウム溶液(自作)を添加

スキマー → プリズムスキマー2台

120センチ水槽の照明 → 太陽光+蛍光灯

90センチ水槽の照明 → なし

クーラー → ゼンスイ ZC1000 2台 +  窓用エアコン