オニヒトデの異常発生

ディスカバリーと言う番組で、「浅瀬の怪物・オニヒトデ」と言うテーマで放送されていました。
見られなかった方の為に、紹介しておきます。

オーストラリア北東部の沖合にある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ
このオニヒトデの異常発生の本当の原因は何なのか?と言う事については以前から興味がありました。
大体50年前から報告されていたそうですが、グレードバリアリーフの珊瑚礁がオニヒトデの大群に覆われて白化する現象が相次いでいるそうです。
白化には他の理由もある様です。
これには、地球の温暖化説もあり、1億5千万年前よりの地質学的データでは珊瑚の水温限界は30℃までであるとの事です。
これは変わらないそうで、幼生が育たない温度が30℃までとの話でした。

オニヒトデの異常発生の本当の原因ですが、これには色々な説があり、特に魚や貝の乱獲による天敵減少説がありました。
自然現象なのか、人的原因なのか?
10年前にドイツの海洋学者であり生態学者であるカタリーナ・ファプリシウス博士が派遣されて、まずこのオニヒトデの異常発生の原因が人的原因なのか?単なる自然現象なのか?見極める必要があったようです。
その為、オニヒトデやその他の広範囲にわたり調査や観察を続けられた様です。

もう一人の研究者の話では、オニヒトデの卵を採取し幼生を育てる過程において色々と実験した結果、彼は天敵減少説は間違いであって「水質変化説」を唱えました。
水質の養分が高くなるとオニヒトデの幼生の発育が良くなるそうです。
つまり、水質の養分が高くなると藻類が育ち、オニヒトデの幼生はこれらの藻類を食べて育つそうです。
そこで、カタリーナ・ファプリシウス博士の調査によれば、熱帯性地域では良く雨が降りますので陸上における畑や農場からの養分を含んだ水が川へ流れ沿岸へ流れる事で、沿岸の水に溶ける訳です。
その結果、沿岸には窒素とリン含有量が高くなり、それらがリーフに広がって藻類が育ち、砂粒ほどのオニヒトデの幼生が育つ訳です。

50年前までは陸上にはそれ程畑や農場が無かったので、50年前の水質では藻類が繁殖しない貧栄養状態ですからオニヒトデの幼生が砂粒程の大きさで餓死して異常発生に至らない訳ですね。
オニヒトデの異常発生は50年前からなので時期的に符合しており、陸上におけるサトウキビ畑や家畜などの養分が雨によって川へ流れ沿岸に溶け込む訳ですね。
これは、その地域の砂糖や家畜などの需要が高まり、それと共に窒素とリンなどの養分が沿岸に流れて泥に溜まる訳ですね。
水質の変化がオニヒトデの異常発生の原因の様です。


但し、大変優れた仮説ですが、珊瑚礁において立証は困難ではある様です。
しかし、水質の変化は調べられるとの事でした。
我々の水槽での飼育においても、栄養塩が多いと藻類の繁殖を経験すると思います。
50年前には無かった事が起きているとすれば、50年前との違いは栄養塩が増えていて水質が変化していると言う点は注目に値しますね。
ですから、人的原因による海の病気ですねえ。

私は、この話を聞いて考えさせられました。(−_−;)
マクロビオティックの原理によれば、暑い地方に住む人はそこに採れる食物で食し、寒い地方に住む人はそこで採れる食物で食する方が病気にはならないのです。
これは、陰陽五行説が根拠になっている様です。
つまり、世の中には、「陰性」と「陽性」と言うのがあります。
これはどうする事も出来ない法則のひとつなのですが、
例えば、
暑い、明るいと言うのは「陽性」です。
寒い、暗いと言うのは「陰性」です。

暑いのは陽性ですが、暑い地域には地上に背の高い体を冷やす効能がある植物が生えてきます。
この植物は陰性です。
寒いのは陰性ですが、寒い地域には地上には背が低く根の長くて体を暖める効能のある植物が生えてきます。
この植物は陽性です。

この様にして陰と陽が組み合わせてバランスを保とうとする働きがあり、「陰陽の法則」がある訳です。
覚えておくと何かと便利でしょう。(^^)
交通が発達して貿易が盛んになれば輸入も増え、美味しい?珍しいのか?又、ハウス栽培も出て季節感も失われ、摂取の必要の無い食物を摂取する事で人間の体も可笑しくなる訳です。
その延長で自然の海も可笑しくなると言う様な示唆なのかも知れませんね。